住宅ローン金利はこうやって決まる。基本的なことを知っておこう

住宅ローン借り換え
By: Erich Ferdinand

住宅ローンを借換えるときに気になるのが住宅ローンの金利です。

住宅ローンの金利はそれぞれの金融機関(銀行や信用金庫など)によって少しずつ違います。
でも金利が決まる仕組みはみな同じなのです。

ではこの住宅ローン金利というはどうやって決まっているのか?
基本的な仕組みを説明します。

住宅ローン金利の種類

住宅ローンの金利には大きく分けると「変動」と「固定」があります。

固定金利には金利を固定する期間を年単位(3年、5年、10年など)で選択できる「固定期間選択(一定期間固定)型」と、借り入れている期間中は金利が変わらない「全期間固定型」があります。

図にすると下記のようになります。

住宅ローン金利の種類

各金利の特徴

それぞれの金利には以下のような特徴があります。

変動金利型

  • 金利の変更は年2回
  • 返済額は5年間変わらない
  • 5年以内に金利が変更した場合は、元金と利息の割合で調整する
  • 5年後の返済額が上昇した場合、いままでの返済額の1.25倍が最大
  • 金利が上昇した場合、未払利息が発生する可能性がある
  • 同じ金融機関内であれば固定金利への変更が自由にできる

変動金利型はいろいろ決まり事が多いため、また別記事で詳しく書きます。

固定期間選択(一定期間固定)型

  • 指定した期間の金利が固定される
  • 固定された期間が終了したら変動金利になる
  • 固定された期間が終了するタイミングで、再度一定期間固定金利にもできる
  • 固定期間が終了した後の金利はその時点での金利を使う

全期間固定型

  • 金利が借り入れている期間、変わらないため返済する額も借り入れている期間ずっと同じ

(補足)固定期間選択(一定期間固定)型の場合、固定期間が終わったらどうなるのか

たとえば、固定期間選択型で5年固定を選んだ場合を考えてみます。
この場合、借り入れから5年後に金利見直しとなります。

金利見直し時に自動的に「5年固定」になるのではありません。
同じ金融機関内にあつかいがあれば「3年固定」でも「10年固定」でも選ぶことができます。
なにも指定しない場合は、変動金利になります。

金利はいくつになるかというと、借り入れ当初のものを使うのではなく、金利見直し時点のものを使います。
そのため、借り入れ当初よりも上がっている場合も下がっている場合もありえます。

「なにも指定しない場合は、変動金利」なるということは、固定期間選択型は変動金利で借り入れをして、特約によって一定期間の金利を固定しているということもできます。

住宅ローン金利を変更してもっと低くしたい場合はどうすればよい?

ではいまの借り入れをしている金利を低くして、住宅ローンの返済額を減らしたい場合はどうすればよいのでしょうか。
これはいまの借り入れをしている金利の種類によります。

変動金利型の場合

いま借り入れをしている金利の種類が変動金利型の場合、下記の2つが考えられます。

  • 同じ金融機関内の固定金利へ変更
  • 別の金融機関へ住宅ローンを引き継ぐ借り換え

固定期間選択型の場合

いま借り入れをしている金利の種類が固定期間選択型の場合、固定期間中は同じ金融機関内では変更できません。
固定期間が終わって、金利見直し時に変動金利にした場合は、変動金利型と同じになるので、固定金利に変更することができます。

もちろん、別の金融機関へ住宅ローンを引き継ぐ借り換えもできます。

全期間固定型の場合

全期間固定型の場合、そもそも途中で金利を見直すことができませんので、金利を変更したい場合は別の金融機関への借り換えしか方法はありません。

住宅ローン金利を決める基準はこうなっている

変動金利を決める基準

変動金利は「短期プライムレート」に連動するようになっています(一部の例外を除く)。

下記はある銀行の住宅ローンの商品説明書ですが、それを見ると

変動金利の利率の決め方

『●当行の「短期プライムレート連動長期貸出金利」を基準とする変動利率になります。』とはっきり書いてあります。

短期プライムレートは、「短プラ」とも呼ばれ、金融機関が優良企業向け(業績が良い、財務状況が良いなど、融資する上で問題がない企業)に対して、短期(1年以内の期間)で貸し出す時に適用する最優遇貸出金利(プライムレート)のことをいいます。
引用 – iFinance http://www.ifinance.ne.jp/glossary/finance/fin041.html

そして、「短期プライムレート」を決定するもととなるのが、「無担保コールレート・オーバーナイト物」の金利です。

無担保コールレート(オーバーナイト物)とは、コール市場における無担保での資金貸借のうち、約定日に資金の受払を行い、翌営業日を返済期日とするものにかかる金利のことです。
引用 – 日本銀行 https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/statistics/h08.htm/

この「無担保コールレート・オーバーナイト物」の金利は日本銀行が決めます。

「短期プライムレート」とか「無担保コールレート・オーバーナイト物」という単語の意味は覚えておく必要はありませんが、変動金利は日本銀行がコントールしていることは知っておいたほうがいいでしょう。

日本銀行がコントールしているということはつまり、下記のようになります。

  • 日本銀行の利上げ(無担保コールレート・オーバーナイト物の金利を上げる) → 短期プライムレートが上がる → 住宅ローンの変動金利の利率が上がる
  • 日本銀行の利下げ(無担保コールレート・オーバーナイト物の金利を下げる) → 短期プライムレートが下がる → 住宅ローンの変動金利の利率が下がる

長期固定金利を決める基準

住宅ローンの長期のものは長期国債の動きに連動しています。
長期国債というのは一般的に10年国債のことを指します。

住宅ローン金利が変わる仕組みとタイミング

変動金利は「無担保コールレート・オーバーナイト物」、長期固定金利は「10年国債」が基準になるのですが、ではいつ、どういうタイミングで変わるのでしょうか。

変動金利が変わる仕組みとタイミング

日本銀行が利上げをするかしないかは、年8回実施される「金融政策決定会合」で決められます。

日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会の会合のうち、金融政策の運営に関する事項を審議・決定する会合を、金融政策決定会合といいます。
引用 – 日本銀行 https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/seisaku/b20.htm/

参加メンバーの多数決を取り決定します。
日本銀行のサイトを見れは議事録も公開されています。

ここで利上げが決定されると、住宅ローンの変動金利も上がります。

長期固定金利が変わる仕組みとタイミング

10年国債のような長期の金利というのは将来、日本銀行が利上げをするかどうか、というものを予想して動きます。

つまり、日本銀行が次の政策決定会合で利上げをしそうだ、と市場が予想をすると、政策決定会合の数日前から10年国債の利回りが上昇します。

10年国債の利回りが上がると、住宅ローンの長期固定金利も上がります。

まとめ:低金利のいまは借り換えしないと損をする

この記事を書いている現在、日本銀行はマイナス金利政策を取っています。

通常、金融機関にお金を預けると利息が付きますので、お金が増えます。
同じように、金融機関が日本銀行にお金を預けると利息が付きます。

しかし、マイナス金利の場合、金融機関が日本銀行にお金を預けると利息が付くどころか、手数料が取られるのです。

そのため、金融機関では自分たちでお金を持っていてもしょうがないので、できるだけ誰かにお金を貸そうとします。
たとえ、貸し出す金利が安くても手数料を取られるよりマシですからね。

そのため、住宅ローンの金利はどんどん下がっています。
もうこれ以上下がらないのではないか、というレベルまできています。

つまり、低金利のいま、借り換えしないと損をすることになります。

イオン銀行の利率は他の金融機関と比べても最低水準です。
シミュレーションをして、いま借りている住宅ローンと比べてみてはいかがでしょう?

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